『幽霊列車とこんぺい糖』木ノ歌詠 [富士見ミステリー文庫]
飛び込み自殺をしようと駅にやって来たら、廃線になって、困っていた中学生の少女が、変な女子高生と出会ってという話。話は、非常にきっちりとまとまっていて、ある意味では、過剰なまでに説明してしまっている気もする。とはいえ、かなり、きれいに終わっていて、出来は良い。この作者は、デビュー作が音楽家物だったが、今回も、芸術家物になっている。割と、イメージ優先の作風だが、今回は、結構、ディテールに凝っている感じである。
『麗しのシャーロットに捧ぐ』尾関修一 [富士見ミステリー文庫]
『僕たちのパラドクス-Acacia 2279-』厚木隼 [富士見ミステリー文庫]
『ネコのおと リレーノベル・ラブバージョン』新井輝、築地俊彦、水城正太郎、師走トオル、田代裕彦、吉田茄矢、あざの耕平 [富士見ミステリー文庫]
『うれしの荘片恋ものがたり ひとつ、桜の下』岩久勝昭 [富士見ミステリー文庫]
『さよなら、いもうと。』新井輝 [富士見ミステリー文庫]
『たましいの反抗期 すてるがかち!』水城正太郎 [富士見ミステリー文庫]
『セカイのスキマ』田代裕彦 [富士見ミステリー文庫]
『SHI-NO ーシノ- 黒き魂の少女』上月雨音 [富士見ミステリー文庫]
新人賞の最終選考作のようだ。小学生の幼馴染みが探偵のミステリー。ミステリーと言っても、視点がワトソンというか、探偵のそばにいるだけで全く、事件の解決とも関係ない主人公にあって、淡々と事件が起きたりするわけで、あまり、普通の作りではない。とはいえ、読み返してみると、それなりに、構成は凝っている。ちょっと、全体の雰囲気が、森博嗣のS&Mシリーズを思わせるような所もある。新人にしては、文章も割と読みやすいが、恐らく、書き直しをある程度、しているのだろう。一応完結しているが、ミステリーなので、続編も十分可能である。
富士見ミステリー文庫の新人賞組と比較した場合、他の作品にさして劣らないと思うが、やはり、暗い雰囲気の話が嫌われたのだろうか。
『覚醒少年』北山大詩 [富士見ミステリー文庫]
富士見ヤングミステリー大賞の奨励賞受賞作。捜し物を請け負う職業の少年が事件に巻き込まれていく話。設定はSFで、ミステリーというよりはアクション物。テンポ良く、話が展開し、ストーリーも上手く構成されている。新人にしては割と読みやすいし、キャラもそれなりに上手く立っている。少し、主人公の少年が無敵な気もするが、マンガだとありがちな展開か。
一月に出た富士見ミステリーの新人の作品はこれで全部読んだ。好みで言えば、この『覚醒少年』が一番面白かった。次は『BLACK JOKER』で、『楓の剣!』はあまり合わない感じ。どれも続きが出そうな話の作りだが、『覚醒少年』はありがちではあるが、それなりに面白そうなシリーズになりうるのではないだろうか。ただ、富士見ミステリーの新人は、二月にももう一冊出るようだ。






