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『ファントマは哭く』林譲治 [ハヤカワJコレクション]

『AADD』シリーズの最新作。基本的には、異星人とのコミュニケーションをどう取るかという話がメインだが、他方で、科学者共同体であるAADDに反対する勢力の作戦も描かれている。SFとしては、異星人との話は面白いが、しかし、他方で、AADDに反対する勢力に関しては、結局、ほとんどいいところ無く、敗けてしまう。そこら辺は、やや、興醒めだが、どうも、常にAADDという科学者共同体的なものが、勝利するというのは、最初から一貫しているようなので、それ以外の所を楽しむべきか。
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『マザーズ・タワー』吉田親司 [ハヤカワJコレクション]

この作者としては初めてのハードSFである。話は、軌道エレベーターを作る話である。といっても、小川一水当たりよりは、ストーリー優先で、この作者の他の作品と似て、かなり、濃いキャラクターが登場する。この作者は、元々架空戦記でデビューしているが、架空戦記と言っても、未来が舞台なので、実質的にデビュー作もSFといえなくもないので、意外と言うことはないだろう。どうも、設定は『記憶師』シリーズと繋がっているようである。割とテンポ良く、上手くまとまっている。続編というか、ファースト・コンタクト物といったところにも期待したい。
タグ:吉田親司
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『進化の設計者』林譲治 [ハヤカワJコレクション]

SF。ハヤカワSFシリーズJコレクションだが、『ウロボロスの波動』や『ストリンガーの沈黙』のAADDシリーズではなく、ハヤカワ文庫から出た『記憶汚染』と同じぐらいの技術水準の話である。設定自体は、『記憶汚染』と必ずしも、同一ではないが、大体似たような感じである。テーマは、タイトルからすると、最近、流行りの「ID」理論の批判と言うことになるのだが、実際は、『記憶汚染』と同様に、ネタをいくつも詰め込んでいる。『記憶汚染』は結局、何がやりたいのか、分からなくもないが、という所で、伝奇物的な展開で無理矢理纏めていたが、今回は、スーパーコンピューターと猫といった感じである。ただ、ネタを大分、整理した感じもあり、割とわかりやすい。細かい所では、一種のモビルスーツが登場したり、興味深いネタは多いが、全体のストーリーはすっきりしている。他には、外部評価委員会というシステムに対するある種の批判もあり、組織論的にも面白い。この作者の作品は、毎回、科学者共同体ユートピア的な話が出てくるが、今回もやはり、登場する。ID理論に関しては、それ自体に対する批判はオーソドックスだと思うが、むしろ、それを信奉する団体の思想がちょっと捻ってあって、興味深かった。

『記憶汚染』は文庫だが、こちらは何故か、Jコレ。逆だった方が良い気もするというか、AADDシリーズほど、ハードSFではないので、文庫でも良かった気もする。ただ、Jコレ自体、9月にこれが出てから、一冊も出ていないし、次の予定も明らかではないのはどうなのだろう。


タグ:林譲治
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『スペースプローブ』機本伸司 [ハヤカワJコレクション]

SF。有人月探査に行くはずの宇宙飛行士達が、ニュートリノを発する謎の物体の探査を無理矢理行おうと計画して、何とか、実行する話。一応、ファーストコンタクトSFと粗筋には書いてあるが、残念ながら、その部分は、今一はっきりしない感じで終わってしまう。やはり、この作者のことなので、途中の展開を楽しむべきなのだろう。近未来に設定されているが、事実上、技術レベルは今と変わらない感じで、その意味では、『ロケットガールズ』とか、『星のパイロット』なんかと同じような感じである。例によって、ハードSF的な考察と、ファーストコンタクト物らしく、宗教的思索とが、並列で展開されているが、この点は、作者のテーマなのだろう。 また、今回は、有人月探査の計画を通して、事実上、日本の宇宙開発や組織に対する一種の批判もかなり展開されており、それがまた、ある意味ではかなりリアルな所は興味深い。


タグ:機本伸司
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『天涯の砦』小川一水 [ハヤカワJコレクション]

SF。宇宙ステーションで、事故が起き、漂流し始めた区画に取り残された生存者の話。構成も巧みで、良くできてはいる。どうも、同じ世界を舞台にした続編も考慮されているようで、設定も細かく作られているし、伏線らしきのも存在する。恐らく、一種の未来史のシリーズのオープニングになるのだろう。SFとしては、面白いが、何というか、ハードSFファンだけを対象にしているような面もあり、その意味では、やや、話がまとまり過ぎている気もする。背景にある設定としては、地球vs宇宙に住む人たちと言うことなのだが、どうも、違いは、サイボーグ志向か否かという点のようだ。その意味では、割とクラシックな気もする。


タグ:小川一水
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『ストリンガーの沈黙』林譲治 [ハヤカワJコレクション]

『ウロボロスの波動』の続編。宇宙に進出した人々地球の対立が激しくなる一方、異星人の痕跡らしきものも観測されているという話。前作は、連作短編集だったが、今回は長編になっている。前作は、対立自体に焦点が当てられていたが、今回は対立に決着が付く一方で、異星人の方も出てくる。異星人自体よりも、むしろ、全体を通してのテーマはコミュニケーションになっている。ただ、前作から引き継いでいるから仕方ないのだが、宇宙に進出した人々は、科学者共同体的ユートピアな訳で、それに対して、地球側を架空戦記に出てくる日本のように描いているのは、どうなのだろう。それはともかく、作者は架空戦記からデビューしているので、戦闘シーンも良くできている。『記憶汚染』の時も感じたが、少しネタを詰め込みすぎな気もしないでもない。また、もう一つのテーマがエージェントなのだが、それで社会も解釈するのは、最近の流行りなので、分からないでもないが、経済に関しては貨幣無きユートピアというのは、やはり気になる。全体としては、前作を読んでいないと分からないが、両方合わせれば、異星人とのコンタクトを目標としたオーソドックスなハードSFである。というわけで、余計な物を削ぎ落としたハードSFとしては面白いが、この作者には、むしろ、もう少し、ある種のブラックなコメディーのある話を期待したい。


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